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念頭所感 - 平成22年1月


 明けましておめでとうございます。年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

 昨年の最も大きな出来事は何と言っても鳩山新政権の誕生でした。医療政策に関して、新政権は診療報酬のマイナス改定が地域医療の崩壊に拍車をかけたとしてその増額をマニフェストに掲げました。10%の増額を目指しているとのことでしたが、財政難が立ち塞がり、多くの議論の末、昨年末に0.19%の引き上げで決着しました。当初のもくろみより小幅な増額とはいえ診療報酬のプラス改定は10年ぶりであり、そのことは高く評価されるべきであると思います。

 医療崩壊と言えば、昨年11月に日野町文化センターで「日野発 地域医療を考える郡民フォーラム」が開催されました。そのきっかけになったのは、平成20年に鳥取県と地域社会振興財団が鳥取市で開催した「地域医療を考える県民フォーラム」でした。医療崩壊を食い止めるために、住民、医療機関、行政が一堂に会し、地域の医療の現状が報告され、そのあるべき姿が討論されました。鳥取県は同様なフォーラムを県内各地で行うこととし、その最初の開催地として選ばれたのが日野郡でした。

 堀江 裕元日野病院長による「地域病院が目指す坂の上の雲」と題した基調講演のあと、5人のパネラーでパネルディスカッションが行われました。私もパネラーの1人として「日野病院と市部中核病院との連携」について発表いたしました。このフォーラムを通じて、日野郡の医療を守るためには、地域のあらゆる人々、団体・機関の協力・連携が必要であることを強調したいと思います。 本年も医師を初めとする医療専門職不足による日野病院職員への多大な負担は解消されないと思われます。しかし、私たちは地域の中核病院としての責務をはたすべく、引き続き病院機能の充実に努めていく所存です。さらには、在宅緩和ケア、地域リハビリテーションなどのように、病院機能を地域に拡大する作業も進めていきたいと思っています。

 また、本年は日野病院開院70周年(移転新築10周年)にあたります。職員名簿の作成、記念式典の開催などを予定していますので、関係各位にはご協力を賜りますようお願いいたします。

 気象庁の長期予報では、この冬の山陰の天候は平年と同様に曇りや雪または雨の日が多いとのことです。加えて、新型インフルエンザの流行ももう少し続くようですので、一層のご自愛の程、心よりお祈り申し上げます。

平成22年1月