年度の終わりに -平成28年5月掲載
今、ゴールデンウィークの真っ盛りです。行楽地へお出かけの方も多いことでしょう。今年は4月14日に発生した熊本地震の影響で九州観光の予約キャンセルが相次いでいるということです。キャンセルしたお客さんが鳥取県や島根県に流れるのではないかという予想もあります。うれしくもあり、申し訳なくもあり、というところでしょうか。
さて、平成27年度が終わり、新しく平成28年度がスタートしました。この年度変わりに日野病院組合では大きな出来事がありました。それは介護老人保健事業からの撤退です。日野病院組合の介護老人保健事業は平成18ねんのあやめ開設とともに始まりました。開設者は江府町でしたが、その江府町から指定を受け、日野病院組合が管理・運営を行う形態でした。開設後、徐々に医療から介護へ、介護から医療へのスムーズな流れが出来上がり、あやめは地域包括ケアを構築する重要な存在になりました。
しかしながら、その間、あやめの職員確保は困難を極めました。特に看護師の確保は大きな問題でした。あやめには当初日野病院から8名の看護師を派遣いたしました。あやめの看護師の採用とともに、漸次派遣人数を減らす予定でしたが、採用者の数は期待した程増えませんでした。その結果、5~6人の看護師を今後も継続して派遣せざるを得ない可能性が高くなりました。
その一方で、退職者の増加などから、近い将来日野病院自体に看護師不足が生じる可能性も明らかになりました。以上のようなことから、私は日野病院組合が安定してあやめの管理・運営を続けることはいずれ困難になるとの判断に至りました。その旨を日野病院組合議会に報告したところ、議会において長期に渡り、様々なご議論、ご討議を頂きました。最終的には、後任の指定管理者の決定後、日野病院組合は3月31日をもってあやめの指定管理を終了することになりました。
介護老人保健事業は日野病院組合の従来からの3事業、すなわち病院事業、在宅介護支援事業、診療所事業に加え、4番目の事業として浜副隆一前病院長が創設されました。私としましては、そのような重要な事業を停止させたことに忸怩たる思いを禁じ得ません。今後は、管理する側、される側といった関係ではなく、お互いに対等な立場であやめとのさらに良い医療介護連携を目指したいと考えています。
最後になりましたが、ご迷惑をお掛けした江府町を始め関係者の皆様には心よりお詫び申し上げます。また、住民の皆様にはこれまで通り安心して日野病院、あやめをご利用いただきますようお願い申し上げます。