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新型コロナワクチンは世界を救うか! -令和3年5月

 医療従事者に対するワクチ ン接種が始まり、私もワクチ ンを接種しました。これで 100%安心とはなりません が、かなりリスクは減少した といえます。変異型ウイルス が急速に広まっている中、変異型ウイルスに対してワクチンが有効 あるいは効果は減弱するなど、まだ十分な科学的データがない状況 ですが、だからといってワクチンを打たずに無防備でいることが最 善だということはありえません。私が医者になっていつも思い知ら されることは良きにつけ悪しきにつけ、医学医療に100%という ことはなく、うまくいかなかったときのことを考えてプランB、C を準備しておくことが重要です。現在のワクチンが変異型に対して 効果が少ないとしても 変異型に対する新たなワクチンを早急に開 発すれば良いのです。今回のワクチンはmRNAを組み込んでいるた め、このmRNAの配列を少し変更するだけですぐに変異型に対する ワクチンは完成します。いろいろな変異型に対するmRNAを含んだ ワクチンを作れば1回の接種で多くの種類の変異型に対して効果を 発揮できます。おそらく、多くのワクチン会社が開発に着手してい ると思います。ワクチンの接種率が6〜7割を超えれば、新型コロ ナ感染症は自然と終息するはずです。プランCは治療薬の開発です。 新型コロナウイルスに対する特効薬はまだできていません。しかし、 現在の創薬技術、特にスーパーコンピューターを用いた創薬であれ ば 数年以内には特効薬が完成すると思います。インフルエンザに 対する薬があるように、エイズやC型肝炎ウイルスに対する薬があ るように必ず薬はできると思います。それまでは、様々な対策で凌 ぐことが必要です。特に高齢者や基礎疾患のある患者さんはできる だけ早急にワクチンを接種しましょう。高齢者も基礎疾患のある患 者さんもワクチンの副反応が若い人に比べて強く出るわけではあり ませんし、感染したときは重症になる確率が高いので、最もワクチ ンが有用な対象です。副反応に対するマスメディアの過敏な報道に 惑わされることなく、自分の命を守りましょう。
 さて、次に今年度からの新しい当院の医師をご紹介します。内科 には平井実佳子先生、中井翼先生、池田紗矢先生、整形外科には石田 孝次先生が新しく着任されました。住民の皆さんのかかりつけ医と して様々な診療、相談に答えていただけると思います。また、脳神 経外科の外来が第1、3週の月曜日に行われ、日野病院の専門外来 がいっそう充実します。
 最後に昨年度の職員表彰の発表を行います。病院長特別賞は新型 コロナ感染対策に活躍された佐々木修一医長、長尾孝夫臨床検査室 長、山形睦美看護師長、野坂由貴子看護師長、磯江光代主任看護師 の5名に贈られました。佐々木医長は新型コロナ感染疑い患者の診 療から病棟の改築、発熱外来棟の企画・建設まですべての対策に尽 力されました。長尾室長は情報収集からPCR検査の確立、実施ま で大変な量の勉強をしながら感染対策を立案していただきました。 山形師長はPCR検査の検体採取から外来での感染対策、野坂師長 と磯江主任は病棟の感染対策、マニュアル作成、チーム看護体制の 構築に取り組んでいただきました。新型コロナ対策は今後も続きま すが、基盤を作っていただいたことに深謝し賞したいと思います。 山口浩一ソーシャルワーカーは透析患者の送迎制度を確立したこと と入院患者の自宅退院に関与する因子の研究により鳥取医学雑誌に 論文を発表した学問的功績により局長賞を授与されました。
 今後も日野病院は通常診療の充実に加え、新型コロナ対策、ワク チン接種と住民の皆さんの健康に貢献したいと思います。