日野病院の医療機器充実化 -令和4年1月
新型コロナウイルス新規感染者は2021年8月中旬に全国で26000人にまで増加しましたが、その後急速に低下し、11月下旬には50人以下 東京や大阪でも一桁の人数にまで減少しました。これは人口の75%までワクチン接種が進んだ効果とともに、日本人が3密回避やマスク、消毒をしっかり守っていることによると思います。先日、2年ぶりにJRで鳥取県外に出かけました。新幹線ややくもの中でおしゃべりをする人はほとんどなく、街中でマスクをしていない人は一人見ただけでした。テレビで見る海外の様子とは全く違うことを感じました。2022年1月からは3回目のワクチン接種が始まります。このブースター接種によって、抗体はさらに上昇し、新型コロナ感染の減少、重症化の予防につながると思います。新型コロナに感染しても抗体治療薬をすぐに投与することも可能となり、内服の抗ウイルス薬も近々認可されるでしょう。もう半年もすれば、恐ろしい病気ではなくなっていることが期待できます。しかし、完全に消える病気ではなく、小さな流行は今後も続くと思います。油断せず、引き続き感染対策を行いましょう。
さて、日野病院ではこの数年で最新の医療機器を次々と導入しています。2年前に胃内視鏡、大腸内視鏡装置を一新しました。画質が極めて良くなり、また、特殊光を使った画像によって早期癌を明瞭に描出することができるようになりました。これまではやや画質に問題があった経鼻内視鏡も経口内視鏡と遜色がなくなり、口からの胃カメラが苦手な患者さんも鼻から行うことで楽に受けられるようになっています。事実、この2年程で小さな胃がんや大腸がんが多く見つかり、内視鏡的に切除しています。また、日野町でも胃癌検診は内視鏡で可能となったので、バリウム胃検診を受けていた住民の皆さんもぜひ日野病院で楽な胃カメラ検診を受けて下さい。
次に、最新超音波装置を2年続けて購入しました。どちらも汎用機ではありますが、1つは循環器系が得意であり、他方は腹部系が得意な装置です。通常の検査も臓器や患者さんの体型に合わせて最適な画像が撮れるようになりました。また、高感度カラードプラによる血流表示や造影エコーができます。肝臓の硬さや脂肪量を測定でき、今後増加する脂肪肝炎の患者さんの拾い上げに有用です。
2021年10月には人工知能(AI)を応用した最新式MRIを導入しました。AIによって患者個人個人に合わせた最適の画像を構成し、画質を向上させています。撮像時間も短縮され、騒音も減少しました。画質の向上により小さな脳動脈瘤の検出や全身がん検診も可能となりました。脳ドックの精度もさらに高くなり、全身がん検診も開始する予定です。肝臓では脂肪量を正確に測定でき、肝組織鉄量の測定によって発がんリスクを予測することも可能です。まだまだ、最新機能がありますので詳細は町報ひの10月号および日野病院ホームページ病院案内の中の病院長コラム「第58回MRI最新技術報告|最新のMRIはすごい」をご覧下さい。
さらに、今年度中にCT、膀胱鏡を導入予定です。CTでは撮影時間の短縮、画質の向上とともに被曝量の低減が可能となります。例えば,胸部CTでは従来の20分の1の被曝量で肺がんの検診を行うことができます。つまり、これまでの1回被曝量で20回、20年分の写真が撮れることになります。被爆を気にすることなく、CTでの肺癌検診が可能です。これまでにタバコをすったことのある患者さんはぜひこの低線量CTによる肺がん検査を受けて下さい。今後の方式の肺癌検診が主流になることは間違いありません。泌尿器
科では膀胱鏡の導入により早期膀胱癌の検出、尿閉や尿路感染症の治療にも使用できます。これらの検査・治療のために米子市内の病院へ行く必要はなくなります。患者さんの利便性に貢献するでしょう。
このように日野病院では住民の皆さんが最新の医療を享受できるように体制を整えています。安心して日野病院に受診して下さい。日野病院は皆さんの病院です。
令和4年1月