出かける医療・近づく医療
  1. トップ
  2. これまでの院長ご挨拶
  3. 院内における新型コロナウイルスクラスター発生のご報告とお詫び ―令和4年9月

院内における新型コロナウイルスクラスター発生のご報告とお詫び ―令和4年9月

 お盆明けの現在でも新型コロナ BA5によるパンデミックが 鳥取県だけでなく,全国を襲 っています。鳥取県でも毎日 1000人越えの新規感染者 が出ています。国はどんどん制限を緩めているにもかかわらず、 感染者に対する全数把握を撤回してはいませんし、入院患者には 休日関係なく病状報告を毎日求めています。この報告も報告だけで 何も活かされていません。医療機関も保健所も疲弊するばかりです。 ο 株の感染力は強いものの重症者はほとんどなく、特にワクチン をしっかり打っている患者さんでは数日の発熱、倦怠感、咽頭痛 で改善しています。患者さんの側にもこの感染症に対する冷静な 対応が必要だと思います。数日間の発熱や倦怠感があっても過度 に心配せずに解熱剤を服用しながら自宅で落ち着いて過ごして下 さい。決してパニックにならないようにして下さい。
 さて、本題に入ります。日野病院では7月2 3日から8月3日ま での間に院内で患者、職員のクラスターが発生しました。最終的 には患者さん2 0名、職員1 2名が感染しました。7月2 3日からの数 日間にほぼ同時多発発生でしたので大本の感染源は明らかにでき ませんでした。以前より入院患者に対してはすべてPCR検査を していましたが、偽陰性が1 0%の確率で起こるため,検査をすり 抜けた患者さんがあったのかもしれません。職員のほとんどは1 0日 程度でウイルスは陰性となり、重症者もなく復帰しました。患者さ んにおいても新型コロナウイルスによる重症者は出ていませんが、 元々の原疾患によって、亡くなられた方が2名おられました。ウイ ルス陽性のため,ご家族のお見舞いもままならず永眠されたのは大 変残念でした。
 また、クラスター発生の時から新たな患者の発生をチェックす るため、毎日のように患者、職員のPCR検査が必要でした。全 国的なパンデミックとも重なって、PCR試薬不足となったため 外来でのPCR検査を制限せざるをえなくなりました。外来や救 急での発熱患者さんの検査ができなくなり,住民の皆さんには大 変ご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。現在 は少し供給が回復しましたが、それでも全国的な患者の増加のた め、希望する注文数は確保できない状況が続いています。救急や 入院が必要な患者さんに対しては院内検査で対応し、1時間程度で 結果は出ますが、急患でない場合は外注で対応しているため結果 報告には1〜2日が必要となります。ご了承ください。8月2 3日 現在でも日野病院のコロナ病床は満床が続いており、新規の新型 コロナの患者さんは入院できない状況となっています。住民の皆 さんが感染予防を徹底されることをお願いいたします。当院とし てもできるだけ早期に回復できるように職員一同努力していきます。 この度は住民の皆さん、近隣の医療機関にご迷惑をおかけしまし たことを深くお詫びいたします。