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日野病院は”頼れる中小病院”です -平成23年5月


 自然の猛威の前では、人間がいかに無力であるかを痛感させられた出来事がありました。3月11日に発生した東日本大震災です。マグニチュード9.0の巨大地震と大津波は東北地方の太平洋沿岸に壊滅的な被害をもたらしました。死者・行方不明者は2万6千人、全壊した建物は6万7千戸に上り、福島第一原発事故では周囲に深刻な放射能汚染が拡大しています。
 被災地には全国から支援の手が差し伸べられています。日野病院も患者さんの受け入れを表明していますし、4月26日に災害医療支援チームを石巻市に派遣しました。メンバーは大谷副病院長、小村看護局長、佐々木看護師長、川上医事課長の4人です。安全に留意しつつ与えられた責務をしっかりと果たして帰りました。
 さて、平成22年度の日野病院組合の主な出来事を表1にまとめました。最大の出来事は日野病院開院70周年及び移転新築10周年記念式典でしたが、これにつきましては以前ご報告させていただきました。お祝いのお言葉をいただきました多くの方々に、改めまして心よりお礼申し上げます。
 経営状況につきましては、平成21年度も日野病院、あやめともに黒字決算となりました。平成19年以降3期連続の黒字であり、喜ばしい限りです。しかし、日野病院の黒字計上は地方交付税増に伴う大幅な増収のためであり、医業収支自体は赤字が横ばいに推移しています。不採算部門を抱えているとはいえ、医業収支の改善は日野病院にとって大きな課題といえます。
 平成21年に引き続き、日野病院は週刊ダイヤモンド「頼れる病院ランキング」にランクインしました。この調査の対象となったのは、全国の公的病院と200床以上の民間病院のうち、一般病床数の割合が総病床数の70%未満の病院、平均在院日数が100日以上の病院などを除いた病院です。各病院で医療機能と経営状態に関する9指標の得点が算出され、それらの合計点数(100点満点)が高い順に都道府県別に掲載されています。
 良い機会ですので、日野病院の合計点数58点が全国的にはどのレベルなのかを平成21年のデータを使って調べてみました。その結果は、全国1173病院のうち826位という期待はずれのものでした。何故こうなったかを検討してゆく過程で、各病院の合計点数と病床数とに明らかな正の相関があることが分かりました。そこで、200床未満の病院で検討したところ、342病院中102位でした。さらに、100床未満の病院では146病院中20位と高位にランキングされました。たかだか商業雑誌の調査とはいえ、日野病院が“頼れる中小病院”であることが証明されたと考えていいのではないでしょうか。 
表(平成23年5月院長挨拶用)                                                                      平成23年5月